「新しい医療保険が出ました。月々の保険料が安くなるし新しくカバーできる範囲も広がりました。保険の見直しをしましょう。」
「ご結婚おめでとうございます。保険の見直しが必要ですね!」
「ご出産おめでとうございます。学資保険が必要ですね、保険プランを見直しましょう!」
「今ご加入の保険では、万が一旦那様がなくなった場合に資金が足りなくなります。
保険プランを見直して、奥様とお子様に安心して頂きましょう!」
これらは保険営業マンからよく耳にしますよね?
彼ら彼女たちはあの手この手のうたい文句で保険の見直しを促してきます。
なぜでしょうか?
なぜなら、
お客さんが保険の見直しをしてくれたら、その都度コミッション(手数料)が入るからです。
保険営業マンにとって大切なのは、新規で保険に加入頂くか、今ある保険を見直してもらうかの2択です。日本人の場合はほとんどの人が既に保険に入っているので、彼らにとっては”保険の見直しをしてもらう” ということがとても重要になってきます。
『でも保険の見直しって重要なんでしょ?』
そうですね、ライフステージの変更に伴い保険内容を確認する必要があります。
しかし、せっかくこれまで一生懸命支払いをしてきた保険を止めて、新しく入りなおす必要があるのでしょうか?
これは新たなローンの始まりでもあるんです。
どういうことかと言うと、、、
例えば医療保険をイメージしてみてください。
あなたは医療保険に月々いくら支払っているでしょうか?
仮に30歳で医療保険に加入して、1か月3000円の支払いだったとします。
一生のうちにこの保険にいくら支払いをするのか計算してみたことはありますか?
「え?総額なんて知らないよ。ネットで調べて一番シンプルで安い保険に入ったよ」という人は多いと思います。
月々の保険代ではなく、そう”累計保険料”が重要なんですね。
月々3000円×12か月(1年分)×50年分(80歳-30歳で計算))=180万!!!
そう、保険って累計で計算すると意外と高いんですよね。
50年分で計算している理由ですが、仮に80歳まで生きたとしたらで計算しています。
ファイナンシャルプランナー時代に「女性の平均寿命が86歳で、それまで生きたと仮定したら、、、」という話をすると、なぜか大抵の方は「私はそれまで長生きしたくないです」とおっしゃるので笑、ここでは仮に80歳と仮定しています。
ちなみに86歳まで生きたとしたら、累計保険料は200万を超えます。
・保険に入る年齢(若ければ若いほど割安)
・性別(男性の方が高い)
・病気持ちかどうか
によって自分の月々の保険料は変わってきますが、
一般的に医療保険で生涯で払う保険料は200万を超えると言われています。
さらに最近の保険の入り方を見ていると、皆さん”終身払い”にしてる方がとても多いです。これは保険営業マンがよく用いる手法ですが、月々の支払をなるべく安く見せる為に終身払いに設定してしまってます。
なので、長生きしたら長生きした分だけ支払いが多くなり、
さらに定年退職しても支払いを続けなくてはいけないという老後が待っているのです。
日本の年金は破綻しているという言われる中、
65歳を超えても保険料を払い続けたいでしょうか?
いやですよね。。
住宅ローンと同じ仕組みです。
支払いを70歳、80歳などに設定するとその分月々の支払は楽です。
これは簡単にイメージできるかと思います。
逆に支払いを自分が定年退職してしまうまでに完済したい!と決めるとします。
そうすれば、月々の支払はちょっとしんどいですが、その分総額で支払う金額は安くなりますよね。
保険も同じで、支払いを長くすればするほど総額は高くなります。
つまり保険会社はより多くの保険料をゲットできる分、保険営業マンにはその分のコミッションを渡すことが可能となります。
ですので、保険営業マンは支払いを長くすることをお勧めしてきます。
(自分達のコミッションも多くなるので)
ここで話を戻して、、、
『保険の見直しをすることは、新たなローンの始まりでもあります。』と言いました。
これは、どいういう事かと言うと。。。
あなたは30歳の時に医療保険に入りました。
今、あなたは45歳です。
もともとこの保険は自分が定年退職する時までに支払いを完了する予定でした。
あと残り20年払えば大丈夫。
しかし、先日ある保険営業マンから新しい提案をもらいました。
「あなたの保険は15年も前のものです。新しい良い医療保険がでました。最新の治療もカバーできる保険です。保険の見直しをしましょう。」と言われて、これまでの保険を解約し、新しい保険に加入しました。
これが、新しいローンの始まりです。
あなたは、あと20年で完済予定の保険を解約し、
新しいローンを組んでしましました。
また0円から支払いがスタートします。(新しく家を買ったようなものですね)
旧保険には15年支払いを済ませていたので、
仮に月々3000円の保険料だとすると、3000円×12か月×15年分=54万支払い済み
そこに新しい保険に加入。
自分の年齢が上がっているので同じような内容でももちろん保険料は高くなります。
仮に安くて4000円だったとして、4000円×12か月×35年(80歳-45歳)=168万
54万+168万=222万!!!
実際にはもっと高くなるでしょう。
思い出してください。もともとのあなたの総額は、
月々3000円×12か月(1年分)×50年分(80歳-30歳で計算))=180万でした。
これを途中まで払ったのに、新しく入り直したので人生で医療保険に支払う金額が高くなってしまいました、、、。なんだか損した気分になりませんでしょうか???
月々の保険代、安くなりますよ!
家計に優しいです!
という保険営業マンのうたい文句はとても魅力的です。
でも、、、ちょっと待って!!!
その医療保険、本当に見直しが必要ですか?
入り直す必要がありますか?
今までのその保険だと、入院しても保険がおりないの?(いえ、おります!)
新しい医療保険の方が良いんでしょ?(そうとは限らない!)
長くなりましたが、、、
結論、保険の見直しには十分計算してから、自分で考えてからにしましょう!