銀行の窓口に立ち寄るとよくこんなキャンペーンを目にしますよね?
『2ヵ月もの5%の金利キャンペーン』
ファイナンシャルプランナーになる前のわたしは、
「わ、5%!すごい金利高い!」
「え?100万円預ければ1年後に5万円もらえる!」
と思っていました。
でも違うんですよね~。。。。
銀行の『2ヵ月もの5%の金利キャンペーン』とは
金利には期間がある
金利ってそもそも、年利といって1年間で〇%っていう表記の仕方が通常なのですが、このように2ヵ月もの、3ヵ月ものというのはその期間だけ年利〇%を適用しますよ!というものです。
ということは計算方法が違ってくる、ということです。
実際に計算してみよう!
例えば、年5%のところに100万円を預ければ、
◇1年間預けた場合
1,000,000円 × 0.05 =50,000円
しかし、2ヵ月もの年5%というのは1年間のうち2ヵ月分だけは5%の金利を適用しますよ~というものです。
◇1年間預けた場合
2ヵ月:キャンペーンの5%を適用
残り10カ月:通常の金利を適用
1,000,000円 × 0.05 × 2ヵ月分/12ヵ月=〇〇円という計算式になります。
→1,000,000円 ×0.05 × 2/12=8,333円
→1,000,000円×0.002 ×10/12=1,667円 *通常金利が0.2%の場合
合計10,000円分の利息を受け取ることになります。
*実際にはここから税金引かれますが今回は分かりやすいようにシンプルにしてます。
1年間預けないといけないの???
2ヵ月もの、と書かれている場合は2ヵ月で満期日を迎えます。
銀行の預金ですので、引き出しに行かないとそのまま継続して口座にお金を置いといてくれます。
その場合にはキャンペーンは終了しているので、通常の金利にもどるという仕組みです。
銀行金利には税金がかかる
上記で少しふれましたが、お金を銀行に預けて利息を受け取った場合、税金がかかります。
何%だと思います???
20.315%です。
No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)|所得税|国税庁
年利5%というのは、税金を引いた金利で言うと3.9842%ということになります。1,000,000 × 0.039842 =39,842円 が実際に受け取れる利息です。
●税引き後の金利の計算式
5% × 20.315%=1.01575%が税金分なので、
5% -1.01575%=3.9842%
●受け取った利息から計算することもできます。
50,000円 × 0.20315 =10158円 これが税金で持っていかれますので、
50,000円 - 10,158円=39,842円
実際の銀行商品を検証してみましょう!
参考資料:三井住友銀行 外貨の扉<トビラ>
今日たまたま入った銀行でこのようなチラシを見かけました。
少し前までは、円の金利キャンペーンも多かったのですが、さすがにこの低金利時代、もはや円では商品にはならないのです。。
なので、銀行も外貨商品でキャンペーンをやるしかないんですね~♪
外貨預金で気を付けること
為替の影響を受ける
仮に米ドルで外貨預金をする場合、もともと米ドルを持っている人はそのまま預け入れすればOKなのですが、そんな日本人なかなかいないですよね。。
ということで¥→$にする必要があります。
日本円で米ドルを買うということですが、その時の為替レートにより買えるドルの量が変動します。
100万円で買える米ドルの量は、、、
〇1ドル=100円の時
1,000,000円 ÷ 100円/ドル = 10,000ドル
〇1ドル=110円の時
1,000,000円 ÷ 110円/ドル = 9090ドル
〇1ドル=90円の時
1,000,000円 ÷ 90円/ドル = 11,111ドル
為替手数料がかかる
円から米ドルに替える際には為替手数料がかかってしまいます。
円 → 米ドル にする時と、米ドル → 円 に戻す場合にも手数料がかかってしまいます。
1ドルあたり1円かかるとすれば、10,000ドル預入の場合、
10,000 × 1円 =10,000円の手数料ということになります。
手数料高いですね~。。。
三井住友銀行の外貨の扉の場合
チラシでは3万ドルを例に計算されていますので、同じ金額を例にして考えてましょう。
チラシの左上側の米ドル『2ヵ月もの年5%』に3万ドルを預けいれた時に受け取れる利息を計算してみましょう。
1. ¥ → $
円をドルに交換する場合TTSというレートを使います。難しいことは省きますが三菱UFJ銀行のTTSレートを使うと覚えておいてください。
本日のレート:107.46
3万ドルを用意するので、30,000ドル × 107.46 =3,223,800円が必要となります。
2. 為替手数料
チラシでは為替手数料も優遇とあります。今なら1ドルあたり0.5円のようです。30,000ドル × 0.5円=15,000円
3. 税引き後の金利を算出
上でも計算しましたが、金利にも20.315%の税金がかかるので、
5% ×(1- 20.315%)=3.9842%
4. 2ヵ月もの
繰り返しになりますが、年利5%というのは1年間預けた場合の金利です。
“〇ヵ月”ものというのは、きまった期間しかその金利が適用されないので、
1年間のうちの2ヵ月だけ
12ヵ月のうちの2ヵ月だけ
365日のうちの60日だけ *全部同じ意味
ということになります。計算式としては60/365日を今回は使ってみましょう。
5. 2ヵ月もの5%で受け取れる利息
30,000ドル × 3.9842% × 60/365日=196.48ドル
196.48ドルを利息として受け取りました!
6. 合計
30,000ドル +196.48ドル =30,196.48ドル
自分のドル合計が30,196.48ドルとなりました。
7. $ → ¥
このお金を使う為には円に交換する必要があります。
ドルから円に交換するときは、TTBというレートを使います。
本日のレート:105.46
*実際には2ヵ月後の満期日以降のレート適用となりますが、いったん本日のレートで検証してみましょう。
30,196.48ドル × 105.46 =3,184,520円
8. 為替手数料 Again!!!
ドルから円に交換する際にも為替手数料はかかってしまいます。
このチラシによると預入時には手数料の優遇がありますが、引き出す時には通常の為替手数料のようです。
通常の店頭の為替手数料:1ドルあたり1円
30,196.48ドル × 1円 =30,196円
30,196円!!!!の手数料
9. 結論
円で検証してましょう。
<自分が支払った金額>
(1)3,223,800円 + (2)15,000円 + (8)30,196円 = 3,268,996円
<自分が受け取った金額>
3,184,520円
差引
3,268,996円 - 3,184,520円 =84,476円
84,476円の損
という結果になってしまいました。。。
外貨商品を検討する場合のポイント
こうなってしまう最大の理由は銀行がとる為替手数料と
為替レート(TTSとTTBの間に2円の差)に原因があります。
今回の為替の状況では損をしてしまったのですが、逆に得をすることもあります。
極端に言えば、1ドル90円の時にドルに交換し、1ドル120円の時に円に戻せばかなり儲かります。
同じように上記の計算手順で算出すると、、、
(手順1と7と合計のところだけが変わります。)
1. ¥ → $
30,000ドル ×90円 =2,700,00円
7. $ → ¥
30,196.48ドル × 120円=3,623,577円
9. 結論
<自分が支払った金額>
(1)2,700,00円+ (2)15,000円 + (8)30,196円 = 2,745,196円
<自分が受け取った金額>
3,623,577円
差引
3,623,577円 - 2,745,196円 =878,381円
878,381円の儲け!!!!
得するように自分で為替交換する時期を見計らうのが最大のポイント
上記で言うと、単純に損するパターンと、得するパターンに分かれます。
自分で計算して得する為替の時期に円に戻せば問題ないのです。
その為には為替を長い目でみる必要があります。
今日、明日!であればもちろん1円も上下しない可能性があります。
数か月でもよっぽどのことがない限り大きく変わりません。
そう、年スパンで気長に待つのです。
その為には、外貨預金に突っ込む資金を余剰資金であることが前提です。
つまり、
「子どもの学費に来年使うつもりだった!」
とか、
「住宅購入の頭金にする予定だったのに、損してしまってるどうしよう。。」
といったようにいつまでに使う予定のお金ではNGなのです。
余剰資金:当面使う予定がなく、なんとなく銀行に置きっぱなしお金。
外貨は外貨のまま使うのがスマート
とはいえ、そんな余剰資金のある方も少ないと思いますので、外貨預金を楽しみに変える方法をお伝えします。
将来の留学費用や海外旅行費用としてそのままドルで残しておき、そのままドルで使うというのもが一番スマートな方法です。
わたしも実際にこのようにドル口座を利用しているのですが、貯めたドルをそのまま海外旅行に行った時に現地で引き出しるんです。
キャッシュを現地のATMから引き出すこともできますし、
お会計の時にデビットカードとして利用することも可能です。
わたしが使っているのはソニー銀行です♪
Sony Bank WALLET (Visaデビットカード)
カードもおしゃれで気に入っています。
海外旅行はもちろん、海外留学の費用としての貯蓄、もしくは海外挙式を考えている人にも良いかもしれませんね♪
外貨貯金、いかがでしたでしょうか?
自分で計算できるようになると安心ですよね。
ぜひ、得するように活用してみてください♪